雨の日の星座さん（蟹×水瓶×蟹）

もう一つ。蟹と水瓶で。

他は組み合わせとシチュが思いつかなかった。
何か浮かんだら追加するかも。

「もう、８時過ぎてるんだけど。なんで電器点けないの？」
「電力会社からの供給が途絶えて久しい」
「…それって、電気止められてるってこと？」
「止められたのでは無く、止めたから」
「なんでっ！？」
「自家発電用に、色々作ってみたんだ」
「…その、後ろにある自転車とか？」
「そう。他にも、太陽光や風力を利用した物も庭にある」
「それで？　電気は…」
「梅雨入りしたからね。日照不足だ。風も無いし」
「自転車は？」
「僕の体力じゃ５分が限界だ」
「…どうしてそう無謀なことするの…」
「確かに、今思えば無謀だったかもしれない。
　だけど、作ってる時は成功した場面しか思い浮かばなかった」
「そうかもしれないけどさ」
「それに、電気の無い生活というのも、なかなか面白いよ。
　眩しくないし、静かだし、電話やメールに煩わされなくて済む」
「…だから、心配で見に来たんだけどね」
「こうして窓からの光で本を読むのも、風情があるし」
「そんな蛍雪の功みたいなことして、目が悪くなるよ」
「じゃあ、蝋燭でも点けようか」
「うたた寝して、火事にでもなったらどうするの。
　明日、ちゃんと電気が来るように契約し直しておいでよ」
「面倒くさい」
「…僕からすれば、自家発電の機械を作る方がよっぽど面倒なんだけど？」
「そうかなあ。すごく楽しかったよ」
「娯楽の為に生活を削るのはどうかと思う」
「違うよ。蟹がちゃんと生活をしろって言ったから、自分なりに考えて生活改善を…」
「した結果がコレってわけ？」
「……」
「まったく、仕方ないね。今日のところはウチにおいでよ。
　こんな暗くちゃ御飯も作れないしね」
「…うん」
「しっかり食べて、自転車こげるようにするんだよ？」
「え？」