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星座に関する色々なメモ
No.
2024/04/29 (Mon) 01:50:39

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No.29
2009/10/31 (Sat) 22:28:02

ハッピーハロウィーン!
珍しく有言実行できたかも。これで全員分。

ホントは、一番最初の思いついたのは双子と牡羊の話だった。
双子が墜落した“ほし”を(隕石だと思って)探しているのを、
牡羊が『こいつ何か悪いことをたくらんでるな!』と勘違いして、
後を付け回して見張るという… 双子がえらい迷惑な話。

思いついた後にログを読み直してみたら、牡羊本人が
“ほし”を見つけて持ち帰るという役割だった。
これでは辻褄が合わないかなーと思って没にしました。

でも、双子の後をついて回る牡羊ってなんか可愛いので、
何かでこの図式だけでも再利用したいなー

ピクニックなんてしたことはなかったけれど、こんなものなのかな?
と、みずがめは疑問に思いました。
兄であるいてはわざとらしいくらいに自信満々だし、弟のうおもとても楽しそうにしているので、特に何も言いませんでしたが。


『下で、面白い祭りをやるみたいだぞ!』

そんないての声で、お昼寝中のみずがめとうおが叩き起こされたのは半日前のこと。
どうやら、覗き窓を見ていて、祭りのことを知ったらしいのです。
覗き窓というのは、ほしのこ達が暮らす空の一部にぽっかり開いた穴のことで、ここから地上の様子を自由に見ることができました。
いてはこれが大好きで、暇さえあれば覗き込んでいました。
でも、今日は、とうとうそれだけでは我慢できなくなってしまったようです。

『ちょっとだけ行ってみないか? “ほし”を使えばすぐに行って帰れるしさ!』

そう誘われて、みずがめとうおは顔を見合わせました。
そりゃ、お祭りなんてとても楽しそうだけれども、長老やてんびんにバレたら、ひどく叱られることでしょう。
それに、地上の人間と接触することも禁止されていたはずです。
みずがめがそう言うと、いては『平気平気』と胸を張って断言しました。

『夜になる前に帰ればいい。昼間は皆寝てる時間だし、バレやしないよ。
 それに、地上に降りてしまわずに、街の上に“ほし”で浮かんでいれば、人間にだってわからないさ。
 飛んでいる“ほし”は、人の目には滅多に映らないし、見えても流れ星と思うだけだもん』
『街の上から見るなら、ここから覗くのとそんなに変わらないんじゃ…』
『あんなの覗いてたって、よくわかんないんだもん! もっと近くで見たいんだよ!』

いてはもう行くつもりになってますし、止めても無駄そうでした。
それに、みずがめも地上には興味があって、行ったみたい気持ちはありました。
だから、結局いての誘いに乗ることにしたのです。

『うおはどうする?』
『一緒に行くか?』
『いくー!』

そう言ううおの手は、すでにみずがめの手をしっかり握っていました。
この末の弟は一つ上の兄がなぜかお気に入りで、普段からみずがめの行くところにどこへでも付いて行くのでした。
これで、地上へ行く仲間が三人まで増えました。
彼らの側らには、お喋りの声にも無反応でお昼寝を続けるやぎがいましたが、これがもう呼んでもつついても目を覚ます様子が無いもので、いては早々に『置いていく』と宣言しました。
みずがめもうおも、ちょっと可哀想だなと思いましたが、どうしようもありません。
それに、やぎのことですから、いての作戦を聞いたら、真っ先に反対する可能性がありました。
行く行かないで言い合いなどしていたら、すぐに日が暮れてしまいます。
そんなことに時間を費やすより、とっとと出掛けてしまう方がいいに決まっていました。


だけど、もしかしたら、出掛けるべきでは無かったのかも。
と、いては心の中でちょっぴり後悔していました。

最初は、空で話していた通り、離れた所から眺めるだけのつもりだったのです。
でも、空を離れ、ワクワクする気持ちでいっぱいになっていたいては、そんな約束はすぐにどこかへ吹き飛んでしいました。
もっと街の様子を詳しく見ようと、どんどん高度を下げていき、“ほし”が森へ近付いていることなど気付きもしませんでした。
そして、ひときわ大きな杉の木に激突。“ほし”は墜落してしまったのです。

空に暮らすほしのこ達の体は、とても軽くて柔らかいので、高い所から落ちてもへっちゃらです。
でも、“ほし”の方はそうもいきませんでした。
激突のショックで壊れてしまい、うんともすんともいいません。
これでは、夜になる前に戻るのはおろか、空へ帰ること自体できるかわかりません。

いては、焦りました。
この上、弟達が泣き出しでもしたら、どうにも手をつけられなくなってしまいます。
何より、自分まで泣き出してしまいそうでした。
それで、いては弟達を“ほし”から降ろすと、『ここからはピクニックだから、歩くぞ!』と言ったのです。
ピクニックという言葉の響きに、弟達は泣くことなく楽しそうに歩いています。
でも、ずっとこのままというわけにはいきません。
じきに暗くなり、方角もわからなくなるでしょう。
歩き疲れて動けなくなってしまうかもしれません。
それに、地上には空と違って怖いものがたくさんいると聞いています。
この木の影から、いつ鋭い牙を持つ獣が、恐ろしい姿のお化けが出てくるか。
いては、一刻も早く安全な場所を探さなくてはなりませんでした。

『ねえ、あれは何かなあ?』

突然、みずがめと手を繋いで歩いていた魚が、空いている方の手で木の上を指差しました。
いて達がその方向を見ると、木々の隙間から丘が見え、その上に建物があるのがわかりました。

『人間の家じゃないのかな』
『…行ってみようぜ』
『えー?』

いての言葉に、みずがめとうおは再び顔を見合わせました。
人間の家には、当然、人間がいるでしょう。
ほしのこは人間に近づいてはいけないと言われています。
それでも、いてはもう決めてしまったようで、ズンズン先に歩いて行ってしまいました。
慌てて、弟二人が追いかけます。
こういう時のいてに何を言っても無駄なのは、よくわかっていましたから。


丘の上の天文台は、この日初めて、空からの小さなお客様を迎えました。

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